成人の日に起こった件について思うこと
大変ショッキングなことでした。
成人式を楽しみにしていたご本人はもちろんのこと、ご家族にとってもつらかったであろうとお察しします。
ジャンルは違えども和装業界に携わる身としては、本当にやりきれない思いです。
「着物」は今や「晴れ着」であり、慶事を彩るものです。
この慶びの日に着物を纏うことは、日本の伝統をつなげることとして、伝統文化の継承に幾ばくか担っている自負がある立場としてもありがたくうれしい限りです。
今回の件は、経営が苦しくても成人の日にこんなことをしなくても…というのが私の正直な気持ちです。
和装業界は後継者難による技術継承の危機などの問題を抱えています。
また、経営者としては資金繰りは常に頭にあることです。
「伝統文化を絶やすわけにはいかない」という強い気持ちで、様々経営課題に取り組んでいる企業が多数なのだと信じています。
伝統文化はただ待ちの姿勢ではつながりません。
長期的視野を持って常に挑戦しているのです。
この経営者はそういった自負や責任感があったのでしょうか。
目先の利益のみを追っていたように思えてなりません。
今回の件は他人事とせず、
易きに流れていないだろうか
その行動は胸を張って正しいと言えるだろうか
伝統文化を次に伝えるに恥じない行動だろうか
をあらためて肝に銘じたいと思います。
株式会社安本武司商店
代表取締役社長 安本賀一